市街地を歩くと近代的な建物が建ち並び、日本の住宅事情は悪くないと思うかもしれません。しかし省エネの立場から世界的に見るとまだ性能的に十分とは言えません。ここでは他国と比べ日本に必要なことを明らかにします。
世界的にみて日本の住宅レベルが低いとされる理由の一つが省エネ性能です。日本で最初に住宅の省エネ基準が開始したのは昭和55年。オイルショックがきっかけでエネルギー消費の合理化の動きがありました。
その後、平成28年まで何度か改正されましたが、日本の断熱化基準として定められたのが平成11年の「次世代省エネルギー基準」と呼ばれるものです。この時、やっと欧米並になったと言われましたが、すでに20年以上経過しています。
昭和55年のものは「旧省エネ基準」と言われていますが、平成11年の「次世代省エネルギー基準」の名称は今も残っており、住宅広告などに掲載されることがあるため、詳細な性能も合わせて見る必要があります。
世界に目を向けると欧米の先進国では、住宅を新築する際には省エネ基準への適合が義務化されています。日本でも省エネ義務化を目指して動いてきたのですが、省エネ基準へ対応できない業者も多くスピーディーには進めておりません。
また欧米では健康という観点から最低室温規定が設けられています。そのために断熱性能や気密性能を高くするのですが、日本ではあくまで省エネルギーを目的とした基準でしかありません。
日本の住宅性能表示で断熱等性能等級がありますが、最高の等級4でようやく平成28年の省エネ基準。一般的な省エネ基準を満たしてもまだ十分とは言えないのです。
日本では2025年度から新築住宅は断熱材の活用などで省エネ基準を満たすことを義務付けることになり、2021年8月10日に政府が工程表を示しました。建築物省エネ法これまで住宅は対象外としていましたが2025年度から対象となります。
省エネ基準も見直され、2030年以降の新築住宅は、現在の基準からさらにエネルギー消費量を2割削減する方針です。また、新築の戸建住宅の6割に太陽光発電設備を導入する目標も盛り込まれています。
こうした政府の動きは脱炭素社会に向けた施策として良い方向と考えられますが、消費者にとっては建築コストの上昇にもつながる可能性があるため、同時に補助金等の支援策整備も検討する必要もあるでしょう。
参照元:日本経済新聞HP[2021年8月10日](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1033S0Q1A810C2000000/)
省エネ機能例:セルロースファイバー+外貼り断熱材併用工法
省エネ機能例:木質パネル接着工法+HEMS
省エネ機能例:全館空調システム+スーパーウォール工法
2022年1月時点で「函館 省エネ住宅」で検索して公式サイトが表示される上位20社をピックアップ。
UA値を公式HPで公表している会社の中から熱交換換気システム、トリプルサッシ、土地探しが可能な3社選定しました。
辻木材株式会社 UA値0.23(石川モデルハウス)HPに記載、全棟が高気密高断熱仕様UA値0.28(標準仕様)と明記有り。創業100年以上。
参照元URL:辻木材公式HP(https://www.lime-h.co.jp/modelhouse/post-1.shtml)
ミサワホーム北海道 UA値0.39(高断熱仕様) 1999年度の日経地球研究大賞を業界で初めて受賞。
参照元URL:ミサワホーム公式HP(https://www.misawa.co.jp/kodate/kodawari/energy/)
ハウジング・コバヤシ UA値0.24 全館空調「YUCACOシステム」を採用。